設備から会社のポテンシャルを見極めろ【マシニング編】
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調達バイヤーは担当している仕入先に訪問する機会は多々あります。
加工ワークや設備台数、稼働率、従業員数など異常点がないかをチェックしていると思います。
そのやり方では会社の状況を把握できますが、ポテンシャルを見極めることはできません。
ポテンシャルとは会社の秘めた能力です。具体的には原価低減の可能性を指します。
ポテンシャルを見極めるには加工設備で何をどのように加工しているかを見てください。
現役資材購買課員が原価低減するときに行っている着眼点ですので、有益な記事になっています。
立型マシニングセンタ チェックポイント4選
工具を地面に対して垂直に取り付けたものが、立型マシニングセンタです。
XYZの3軸構造です。
1.生産性が高いレイアウトになっているか
立型マシニングセンタは構造が単純なので設置スペースが少なくて済みます。
機械台数を増やす事ができ、設置面積における生産性をアップさせることができます。機械間にムダがないか確認してください。
2.多品種少量生産しているか
パレットチェンジャーがないので、段取り替えは機械を止めての作業になります。
自動運転をかけにくいので、小ロットや試作品が向いています。
3.重切削をしているか
機械の剛性が強いので重切削が得意です。鋳物や荒加工が向いています。
4.精度が緩いものを加工しているか
上面を加工する機械なので、加工したい面を上面に段取り替えする必要があります。
4面の穴明けが必要ならば4回段取り替えしなくてなりません。
その都度、芯出しするので、加工精度が出にくくなります。
横型マシニングセンタ チェックポイント3選
工具を地面に対して水平方向に取り付けたものが、横型マシニングセンタです。
XYZと地面と水平方向に回転するB軸の4軸構造です。
1.精度が厳しいものを加工しているか
側面(4面)を1段取りで加工できるので、段取り替えを少なくできます。芯出し回数を削減でき、加工精度が向上します。
2.大量生産しているか
パレットチェンジャーを付きやすい構造になっています。
外段取りができるので、機械を止めずに加工することができます。
昼間に段取りを何個もしておけば、夜間は無人で動かすことができます。
その時に重要になるのが切り粉処理です。切り粉は加工に悪影響を及ぼします。
切り粉を噛んだまま加工すると、仕上がり面が悪くなってしまいます。
横型マシニングセンタは構造上切り粉が下に排出してくれるので、エアーブローを少し行えば加工面から取り除くことができます。
3.加工ワークは軽量物か
横型マシニングセンタは機械構造が複雑なので剛性が低いです。カタログ値ぎりぎりの重量ワークを加工すると、テーブルが沈み精度が出なくなります。アルミや仕上げの軽切削が向いています。
改善のポテンシャルが大きい設備とは
設備によって改善のポテンシャルが変わります。
一番いいのは両方の設備をもっている事です。いいとこ取りができるので効果も跳ね上がります。
立型<横型<両方
景気が降下してきており、調達バイヤーは原価低減をメイン業務になってきます。
ポテンシャルを持った仕入先を見つけてアプローチすれば、いい結果が出てくるので是非試してみてください。