おちゃはな

メーカー調達社員の日常忘備録です。調達購買と投資の記事が多めです。

【バイヤーの悩みを解決】納期遅れをなくす方法

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資材購買部門のバイヤーならば納期遅れで大変な思いをしたことがあると思います。

一度ならばいいですが、毎回起こす仕入先もいますよね。

バイヤーとしての義務があり、対応しますが、納期通りに入れる事が当たり前なので達成感がありません。

 

私も2年前に納期遅れの問題が発生しました。ある仕入先に発注した板金部品が1か月遅れになりました。原因は仕入先の生産管理がずさんだったからです。製作順を納期通りに変更してもらう事で解決できました。

 

これは一例であり、納期遅れは様々な原因によって発生します。

今日は納期遅れをなくす方法についてまとめていきます。

 

 

なぜ納期遅れはダメなのか

会社の利益が減少するからです。仕入先の納期が遅れると、後工程で挽回しなければなりません。資材購買部門の後工程は社内組立や社内加工です。挽回策として、残業や夜勤対応を取ります。通常より費用がかさみ、会社の利益が減少してしまいます。

 

 部品 → 加工 → 組立 → 検査  →出荷

(調達) (社内)  (社内)  (社内)

 

責任を明確にしよう

納期遅れの責任所在を明確にしてください。前倒しを依頼するときのアプローチが全く異なってくるからです。資材購買部門に関係するのは4つです。

 

  • 設計
  • 生産管理
  • 仕入先
  • バイヤー

 

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なぜ納期遅れが起こるのか

納期遅れが起こる原因を先ほどあげた責任ごとにまとめていきます。

 

1:設計

出図遅れです。

設計の仕事が遅い場合と客先から回答が来ない場合の2つがあります。

 

2:生産管理

納期設定が製作リードタイムより短い場合です。

納期は出図日から出荷日までを逆算して設定します。納期は自動設定されるので、頻度は少ないです。

 

3:仕入先

生産管理がずさん

納品が納期順になっていない場合です。組織として機能していません。工程の長い物が遅れるケースが目立ちます。

 

納期意識が低い

社長を含め社員全員が少しぐらい遅れてもいいと思っている場合です。

仕入先と納期の会話をしてもほとんど通じないのですぐ分かります。

 

見積提出が遅い

納品の間際に見積もりを提出してくる場合です。

見積書が遅いので、注文書の発行も遅れて対応が後手になります。

 

4:バイヤー

仕入先とのコミュニケーション不足

バイヤーが問い合わせに対して明確な回答をしない場合です。

納期を守るのは仕入先の仕事ですが、守らせるのはバイヤーです。仕入先が遅れそうな時は、フォローをしなければなりません。フォローがなければ、仕入先は都合のいい判断を行い、大問題に発展します。

 

納期意識が低い

多少遅れても全体の日程に影響ないと思っている場合です。

納期遅れは自分だけではなく、他の人も起こっているから少しだけなら大丈夫と勝手は判断しています。

この考え方は他者貢献が足りず、組織の一員として迷惑です。

 

伺書の起案が遅い

納品間際になって伺書を起案する場合です。

仕入先が納品したくても価格が決定していないため、納品を躊躇してしまいます。これは下請法違反にも該当するので問題外です。

 

納期遅れへの対応

納期遅れの対応についてです。

原因が資材購買部門(仕入先、バイヤー)と前工程(設計、生産管理)の場合と違います。

 

原因が資材購買部門の場合

納期に一日でも近づけるように仕入先に催促します。

生産管理に限界納期を確認しておきましょう。限界納期を超える場合は、バイヤーが仕入先に張り付き、状況を毎日上司に報告しましょう。まだ手を付けていない部品は転注を行い、遅れている仕入先の負荷を低くしてください。仕入先が原因である事、納期が遅れた場合の影響をしっかり認識させると交渉がスムーズに進みます。

 

原因が前工程の場合

生産管理に納期を調整してもらいましょう。

事前に仕入先に最短の製作リードタイムを確認しておきましょう。仕入先は真摯にお願いすれば繰り上げてくれます。私の経験上、最初から最短納期で回答してこないので、何度も交渉して妥協点を探しましょう。

 

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納期遅れをなくすには

なんとか乗り切った際には、2度と同じ過ちを起こさないため対策しましょう。

 

啓蒙活動

納期達成率の見える化です。具体例として月例の業務連絡会で公表です。

ワーストの仕入先に対してはヒアリングを行います。すると、仕入先から様々な反応があります。どの仕入先も納期意識が高くなり、納期達成率が向上していきます。

 

製作リードタイムの見直し

納期は生産管理が設定します。生産管理がもっている数字と合っているか見直しを行いましょう。生産管理の意識も変化してきます。

 

転注

仕入先の対応が改善されない場合は転注しましょう。転注する際は、Q(品質)D(納期)C(コスト)3要素から最適な仕入先を選びましょう。

納期遅れは誰にとってもいい話ではありません。

起こったことはしっかり反省して、次に起こらないようにしっかり対策してください。仕入先をしっかり管理することはバイヤーに必要なスキルです。