【バイヤー向け】受注生産のメリット/デメリット
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受注生産のメリット/デメリットは会社全体で見た場合と資材購買(調達)部門だけで見た場合とは違います。
今日は調達にとっての受注生産のメリット/デメリットについて書いていきます。
メリット
- 品質不具合の波及性が少ない
- 在庫がない
- 転注しやすい
1.品質不具合の波及性が少ない
受注生産は1品1様なので、機械は毎日違う部品を加工しています。1つの加工した部品の不具合が発覚しても、連続して生産していないので、波及性がありません。その為、調達でのリコールリスクは“0”です。
2.在庫がない
受注生産は発注してから製作するため、作り置きすることがありません。次いつ注文が来るか分からないものを製作するのは非常にリスクがあるためです。最近は下請け法により企業は口頭発注を厳しく指導しているので、仕入先も余分な在庫はありません。
3.転注しやすい
受注生産では同じ機種でも受注毎に新品番が発生します。すなわちオーダーメイドした箇所です。新図であれば過去に同類部品があっても新たに発注先を選定するフローになるので、別の発注先に出す事が多々あります。別の発注先で価格が安ければ同類の部品も価格が下がるのであれば、注文が切れたタイミングで転注します。
デメリット
- 納期遅れの負のスパイラルが発生する
- 製作リードタイムは仕入先の生産状況に左右される
- 発注先からの問い合わせが多い
- 特急依頼が多い
1.納期遅れの負のスパイラルが発生する
受注生産は設計が図面を描く所からスタートします。最初の出図納期が遅れれば、製品の納期が遅れ、さらに組立納期も遅れてしまいます。納期遅れのしわ寄せは全て組立にいき、夜勤や残業を行えば収益を圧迫する負のスパイラルになっていまいます。受注生産は納期厳守に見えないコストがかなりかかっていると私は思います。納期遅れ“0”を実現できれば会社のアピールポイントになると思います。
2.製作リードタイムは仕入先の生産状況に左右される
受注生産をしているメーカーの仕入先は1社の依存度は高くありません。なぜなら、発注量の波が激しいので、1社に偏ると経営が成り立たないためです、何社かに分散させてリスクをとっています。その為、世の中全体が忙しくなると、仕入先はすぐに負荷オーバーになり、納期コントロールが非常に難しくなります。
3.発注先からの問い合わせが多い
毎回違う部品を製作すること変化点が発生します。図面変更や工程変更や作業者の変更など様々です。これらの変化点に対し、発注先から問い合わせがあります。
4.特急依頼が多い
設計や営業から「すぐほしい」とお願いされたことはないでしょうか。下記のような時に特急で部品を手配しなければならない状況が発生します。
・立会指摘の修正
・現地据付中の不具合修正
・組立途中の不具合修正
おわりに
資材購買部門からみると、受注生産は見込み生産と比較して非常に煩雑な作業をしなければなりません。トヨタ方式の改善事例等の紹介がありますが、受注生産には丸々当てはまらない辛さがあります。そのため、価格査定方法の効率化や発注システムの見直しが課題となっています。次回はその点についても述べていきますね。