おちゃはな

メーカー調達社員の日常忘備録です。調達購買と投資の記事が多めです。

2社購買のすすめ

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調達資材部門の方針で「2社購買」を行うことになりました。「2社購買」のメリット・デメリットは何か。どの品目を対象にすればいいか。2社に切り替えるときに、既存の仕入先にどう説明するか

 

この記事はこういった疑問に答えていきます。

 

 

 

「2社購買」をはじめるタイミング

 

主に2つあります。該当していたら「2社購買」を検討しましょう。

 

・原価低減活動に協力的でない。(コスト)

・安定的に供給できなくなってきた。(納期)

 

メリット

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競争意識を持たせる

競争意識を持つと成長しようとします。当たり前の事ですが大切です。「現状を最善」と考えている仕入先も前向きに仕事に取り組みます。

 

納期トラブルが起こりにくい

1社で不測の事態で納期遅れが発生しても、もう1社でカバーできます。私も2社購買のおかげで危機を乗り越えました。納期遅れを防ぐことで、現場と信頼関係を結ぶ事ができます。

 

発注側が優位な立場になる

1社の客観的な評価があるので、発注側が優位な立場になります。Q(品質)D(納期)C(コスト)の交渉する時のカードに使えます。

 

デメリット

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仕入先との信頼関係が築きにくい

仕入先は1社で全てを製作したいと考えています。2社購買を全面に出すと「信頼関係」が築けません。目の前にいる人だけを見てほしいと思うのと同じですね。

 

不具合品の後追いができない

ランダム発注していると、2社の部品がどの製品に使われているか後追いができません。

そのため、1社の不具合でも2社分の部品を交換しなくてはなりません。

 

発注やフォローが面倒

発注先の比率や2社の納期フォローなど、1社に比べて業務はどうしても増えてしまいます。

 

 

「2社購買」おすすめ部品

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購入品とASSY品からおすすめを紹介します。

 

購入品=カタログ品で大量発注しているもの。

品番は3つほどで結構です。発注品のTOP3から選定しましょう。金額も高額な方がいいです。

 

ASSY品=自給率95%で製作できるもの。

自給できることも仕入先の実力バロメータです。

支給品が多いと価格は下がりますが、実力以上を求める事になり問題が増えるので避けましょう。

 

つぎでは2社購買を始める3つの手順を紹介します。

 

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「2社購買」3つの手順

  1. 見積もりを取得する
  2. 発注システムに2社購買を登録する
  3. 生産計画を開示する

 

手順1:見積を取得する

見積取得は2回までにしましょう。仕入先に事前に2社購買する旨を伝えてください。理由は「会社方針」や先ほど述べた「2社購買をはじめるタイミング」でいいです。相手を納得させてください。

 2回目の見積もりは2社を同額にする交渉です。ただし、無理に同額にする必要はありません。

 

手順2:発注システムに2社購買を登録する

2社の金額を発注システムに登録します。2社の発注比率は金額差異の分をつけましょう。

 

手順3:生産計画を開示する

生産計画の情報はオープンにしましょう。競争結果が見えるとモチベーションがUPし、さらなるコストダウンにつながります。

 

 

2社購買は原価低減に取り組みの初期段階には非常に有効な手法です。

この記事を参考にして取り組んでみてください。